嬉しいお見舞い、困ったお見舞い

母の闘病はコロナ以前のことだったので、入院中も自宅療養中も訪問は歓迎だった。

その時のことを書く。

 

お見舞いは、とても嬉しい。

家族は毎日一緒に病気のことばかり考えているので、「最近景気はどう?」「何が流行っている?」と聞かれてもすぐ思い浮かばない。患者に楽しい話題が提供できない。

その点、お見舞いに来てくれる友人たちは話題の宝庫だ。

すごく、すごく、ありがたい。

 

そのうえで、特にありがたかったこと

 

・直前までキャンセル可能な連絡先が家族にも開示されている

お昼の食べ物のにおいで急に嘔吐したり、前日の医師からの説明でショックを受けたり、とにかく患者は急変するので、家族からすぐ連絡を入れられるとありがたい

具合が悪くて「来てくれたのにお話もできなかった」と患者が気にやむ。お見舞い客が来てから病状にショックを受けると、患者もその反応を見て「私、そんなにひどい?」とショックを受ける。本当に手を握るぐらいしかできない日だ、ということを先に私たち家族から聞いたうえで来てくれた方にはすごく感謝している。あの握手は力になったと思う。

 

・読みさしの雑誌を差し入れてくれる

話題に飢えているので、本当にありがたい。お見舞いの方が帰った後も、その雑誌をネタに家族でお話できる。患者も家族も全然好みじゃないジャンルの雑誌をいただいたけど、その中でも1つ2つは気になる記事があるもので、とても楽しい時間を提供してもらった。

 

ありがたいけど困ったこと

・お菓子の差し入れ

特に同じ種類のお菓子の差し入れ。患者本人は体調が悪くて少量しか食べられないので、家族がたくさん食べることになる。でも、看護疲れでジャンキーな食生活をしていた時期にもらう贈答用高級菓子はしんどい。

特に患者本人が自宅療養中の時は、どれか食べられるかわからない患者に何種類かのメニューを出し、残飯を家族が食べて患者の罪悪感を軽減してあげるという生活だった。過食がストレスになっているところにやってきた素敵なお菓子は、胃腸に負荷が強く、私はその晩、胃がむかむかしてトイレにこもるはめになった。

素敵なお菓子をくれた方、ごめんなさい。

 

 

わがままだけど、家族にとっては、してくれたらすごく助かること

・土日以外のお見舞い

みんな仕事をしているから当然だけど、お見舞いは土日に集中する。闘病を支えている家族も仕事をしているから、いろいろ動けるのは土日になる。

御見舞い客で患者が疲れて、家族と話す体力が残っていないと、なかなか治療などの調整が進まない。お見舞いは本当にありがたいんだけど。

 

・お見舞い客ご本人用の飲料の持参

お見舞い客と患者の邪魔をしないよう、お茶やコーヒーを出し、そっと付近に控えているのは案外疲れる。御見舞い客が飲み物持参で、勝手にやってくれたら、その間家族もほかの事をできるのに。自由時間がなかったのね。

 

でも、本当に、たくさん母に会いに来てくださる方がいて、うれしかった。

今はZoom面会かしら?早く普通にお見舞いできる日がきたらいいのにね。