癌患者の服装、2つのレーズンをどう隠すか

癌になって以来、母はブラジャーを付けるのを嫌がった。

そこで、ここでは夏場でもブラジャーを付けたくない人のための服装を提案する。冬はコート着てしまえばわからないので割愛。

ただし、この方法はせいぜいCカップまで。

 

癌患者は重粒子線の照射後が痛んだり、ただでさえ癌に圧迫されてきた消化器をこれ以上締め付けるのがしんどかったり、抗がん剤の掻痒感でブラジャーもかゆくてたまらなかったり、とにかくブラジャーを付けたくない、ノーブラで過ごしたいという需要は多いように思う。

母の胸はささやかだが、経産婦なのでTシャツをノーブラで着るとレーズンが2つ、ぽちっと主張する。これは、周りに不快感もしくは好奇心を持って注視されてしまい、患者としては居心地が悪い。これを猫背にならず、平らに隠すファッションが必要である。

 

1.変わったストライプ

斜めに走るストライプや、うねうねと波打つボーダーなど。

マルチカラーだとさらに良い。

普通のまっすぐのボーダーはレーズンの位置を隠せないが、ランダムなストライプ、ボーダーは目くらましになるようで、写真に撮っても透けていない。

綿などもともと生地にムラがあるようなものを選ぶべし、ポリエステルサテンだと派手な柄でもストンと生地が落ちるせいで見えてしまう。

 

2.両胸にポケットがあるシャツ

サファリシャツとも呼ばれるもの。あまり体にフィットしないラインで、生地が柄物だとさらに分かりにくい。

ポケットの生地が2重になるのでれーずは見えないし、ポケットにタックが入っているとさらに分かりにくい。

 

3.胸の部分にしっかりしたレースがあるシャツ

母は白無地に同じく白のごってりとしたレースが付いた半袖ブラウスを持っていた。

レースの位置は胸の上を横一直線、幅7センチぐらい。

全く透けない。かなりフィットした服でも大丈夫だと思う。

今は洋裁用のアイロンでつけれるレースブレードなども売っているので、

綿の厚地のTシャツがあるなら自作も。胸元にレースのあるブラウスだけを抽出できる検索ワードがないので、だらだらネットショッピングするなら、自作の方が速い可能性がある。

レースは厚みがある立体的なものの方が良い。

刺繍でも同じ効果があると思う。

 

4.ベスト、ジャンパースカートを重ねる。

最も確実だが、母はファッションとして好みではなかったらしく、行わなかった。

 

母のノーブラファッションの紹介はここで終わり。

 

 

お見舞いの方や知り合いの女性に「ブラジャーの締め付けがつらい」と相談すると、皆さん親切心で「ユニクロのブラトップは?」と勧めてくださる。

しかし、母はブラトップはアンダーゴムで締め付けられるのが嫌だと、不快がった。

ここからは、母ほどひどくないけど、ノンワイヤーブラはしんどいという方にお勧めのブラもどきを紹介する。

 

5.乳帯

産後の女性が使用する前結びのブラジャーもどきである。カップはない。

綿100%でとても肌に優しいが、前結びがゴロリとファッションの邪魔をする。またファッションによってはレーズンも透ける。

スレが気になるとき、汗が気になるときに病院のパジャマの下に着るにはよい。

 

6.モーブラしゃんと

こちらもMo-Houseという授乳服ブランドのもの。

締め付けはブラトップより少なく、カップはないのにレーズンは全く透けない。

ただ、アンダーには多少着用感を感じる。

 

7.グンゼKireiLabo無縫製ノンワイヤーブラジャー

アンダーゴム無し、全体で支える感じなので、きついのが苦手ならワンサイズ以上大きめを選ぶべし。フルカップのような大きな丸いパットが覆うので全く透けないしシルエットもよい。ただし、夏場は暑いかも。